設置する側としては、本体のブランドよりも排気管の構造のほうが遥かに重要、ということは何時も書いてます。当社は薪ストーブは二重断熱煙突でないと施工をお受けしません。
多くのペレットストーブの場合、薪ストーブと違って煙突に性能は依存しませんが・・・。代わりに高さや長さというファクター以外に重要なことが台頭してきます。例えば
① 見た目・レイアウト・動線
② 効率・コスト
③ ネガの減少
今回の施工例から見てみます。
① 薪ストーブのようなデザインで人気のペレスターHPS-110ですが、奥行が長いのが玉にキズ。施主様は壁際にコンパクトに納めたい。動線上も邪魔になるのでキッチンシンクより出っ張らせたくない、という意向でしたので。排気管は壁に直接抜くことにし、室内立ち上げが無い分ストーブを壁に接して置けますし、見た目もスッキリしました。
② ペレットストーブはFFつまり「外部からの同時給排気」という構造が多いのですが。FEという排気だけ外部で、燃焼吸気は室内から得る、という構造もあります。FFの方が良さそうに思えますが・・・実は冷たい空気を燃焼室に送るので熱効率は落ちるのです。それからFF管の方が複雑な構造なので高価ということもあります。今回のストーブはFEもFFも選択できる機種でした。諸般の事情によりFE管を選択しています。
③ 最近多い「モダン系」の住宅は、軒が無い、というデザインが多く。排気を壁から出すことがほとんどのペレットストーブは、排気が籠らないように排気管を軒の外まで伸ばす、ということに腐心しなくても良くなった反面。雨が直接当たり、鉄管だとサビが汚らしい、というデメリットが浮上してきました。それでこちらの現場では「ステンレス製」を選択しています。
また写真からもわかりますが・・・・。ストーブ設置面の上部壁には横長のガラス窓が横切っており!!!それも外開きで開閉する部分はストーブの真上!!ということで・・・・干渉しない位置関係に納めました。
排気は外に抜かないと酸欠で死んじゃいますから、抜くのは大前提ですが。このようにいろんなファクターを勘案して設計位置決めをしています。現在では設置業者が少ないので、当地ではあまり競争になっていませんが・・・・普及すれば必ず業者が増え始め・・・・・同時に「安さ」を売りにする業者も出てきます。薪ストーブ業界ではもう玉石混交状態ですが。当社は使い続けて何にも起こらないのが当たり前、という施工を心がけています。